相賀浦地区 地域防災情報

南伊勢町 相賀浦(おうかうら)地区の防災情報

活動記録

防災ワークショップと防災マップ

 三重大学の協力を得て、約半年をかけて6回にわたる住民参加型の防災ワークショップを相賀浦地区で開催しました。相賀浦地区は、約300世帯で人口約800人で65歳以上親族のいる世帯が75%
を占める高齢化地域です。
このワークショップの成果をデジタルマップ化して公開・共有しています。
相賀浦防災マップ(別ウィンドウで地図が開きます)

【地震・津波防災に関するアンケート】平成24年4月
 第1回の防災ワークショップを開催する前に地震・津波防災に関するアンケートを区内に全戸配布して実施しました。アンケートの回収率はおおよそ50%でした。
 アンケートでは、地震・津波に対する家庭での備え、地域での備え等について現況を確認、再点検しています。回答を集計して第1回の防災ワークショップで講評します。


 地震・津波防災診断アンケート

【第1回ワークショップ 講演会】平成24年5月23日(水)19:00~21:00
  防災講演会には、区内の住民約80名が参加して熱心に聴講しました。講演会の前半では、三重大学工学研究科の川口淳 准教授から防災力診断アンケート集計結果の講評と地域の災害リスクについて説明を受けました。津波被害リスクの説明の際には、南伊勢町をモチーフにしたシ ミュレーションCG動画や東日本大震災の実映像を見ながら、想定される災害を現実的に捉える事が出来た様子でした。講演会の後半では、三重大学医学部看護 学科の磯和勅子 教授から災害時要援護者対策についての講義を受けました。
 講演会の最後には、川口先生から第2回ワークショップの防災タウンウオッチングまでに津波一次避難場所までの避難経路を複数考えておく、宿題が出されました。

三重県作成の南伊勢町をモチーフにした津波CG映像はこちら


三重大学 川口先生から地域の災害リスクについて講義を受けています。みなさん、自身の事と捉え熱心にお話しを聞いて頂いています。


三重大学医学部の磯和先生から災害時要援護者の対策について講義を受けています。災害時要援護者の最大の対策は、自身が要援護者にならないように健康を維持する事、と聞いて大いに納得されているようでした。


参加者のみなんは、自身の問題と捉えて熱心に聴講されています。

【第2回ワークショップ タウンウオッチング】平成24年6月23日(土)13:30~16:30
 約80名の参加者が、相賀浦区を構成する1番組から7番組に分かれて、防災タウンウオッチングを行いました。


ワークショップの最初に、今回の産官学連携の取り組みに関する説明とタウンウオッチングの進め方について川口先生から説明を受けました。


タウンウオッチングを始める前に、前回ワークショップでの宿題になっていた避難経路を各組で確認し合いながら、地図に書き込んでいます。


避難経路を確認しながら津波一次避難場所まで歩いて記録を取って行きます。


避難経路の再点検を行いながら一次避難所へ向かっています。


一次避難場所の再確認、点検を行っています。


タウンウオッチングで記録した、避難時に危険な個所等を大判の地図へ書き込んでいます。


各組で確認し合いながら地図へ書き込んで行きます。


各組で仕上げた地図とタウンウオッチングの際に撮影した写真を見ながら成果を発表します。発表する事により、参加者の全員で課題等を共有する事ができます。

【第3回ワークショップ 図上訓練】平成24年7月25日(水)19:00~21:00
 第2回ワークショップで作成した地図とまちあるきで撮影した写真を基に、地震、津波が発生した事を想定した上で、各組で話し合いながら課題の抽出を行いました。


最初に前回のタウンウオッチングで撮影した写真を話し合いながら地図上に貼って整理して行きます。


津波被害を想定して、避難経路に潜んでいる課題を各組で話し合いながら抽出していきます。


各組で話し合い抽出した地域課題を発表して、参加者全員で共有します。

下が、図上訓練で出来上がった各組の地図です。サムネイル画像をクリックすると高解像度の画像で参照する事ができます。
1番組の地図 2番組の地図 3番組の地図
4番組の地図 5番組の地図 6番組の地図
7番組の地図    

【第4回ワークショップ 訓練計画策定】平成24年8月9日(木)19:00~21:00
 図上訓練で作成した地図と宿題になっていた非常持ち出し品リストを基に各組で次回ワークショップで行う防災避難訓練の計画を策定しました。各組で自らが行う防災避難訓練計画を自らが計画しました。


三重大学の磯和先生から災害時要援護者を考慮した避難計画の策定について、注意すべき点等について講義を受けています。


三重大学の川口先生から防災避難訓練計画の立て方について講義を受けています。


各組で前回ワークショップの図上訓練で作成した地図を基に、津波一次避難場所までの避難経路を再確認しています。


各組で非常持ち出し品のリストを作成して確認しています。


各組で作成した、非常持ち出し品のリストを上げて選定理由と共に避難訓練計画について発表しました。

【第5回ワークショップ 訓練】平成24年9月9日(日)13:30~16:30
 前回のワークショップにて各組が策定した避難経路を非常持ち出し品を背負って一次避難場所までの避難訓練を行いました。避難訓練の後には、消防団や志摩市広域消防の協力を得て、負傷者への応急対応やAEDの使用方法、人工呼吸の方法などを学びました。


非常持ち出し品を背負って、一次避難場所へ避難しています。


災害時要援護者と一緒に避難する体験もしました。


負傷者を運ぶ方法を体験しました。


AED装置の使い方を体験し、学びました。


非常持ち出し品の過不足を各自確認しました。

【第6回ワークショップ まとめ】平成24年10月26日(日)19:00~20:30
  第5回のワークショップを終えた後、一連のワークショップが始まる前に行った防災力診断アンケートを再度実施しました。その集計結果と当初の集計結果を比 較して防災力が向上した点、まだまだ向上させなければならない点について確認し、今後の防災活動を継続して行く上での方向性を見出しました。

2回目の防災力診断ンケート

【防災マップの公開・共有】
 6回にわたるワークショップで作成してきた大判の地図をさきもりGIS(eコミマップ)に登録し防災マップとして公開、共有しました。
相賀浦防災マップ(別ウィンドウで地図が開きます)

【相賀浦区 川口 敬 区長のコメント】
 相賀浦は昔、遠洋漁船の基地として栄えた町で地域のつながりが強い町でした。現在でもその名残があって、地域のつながりは強いと思いますし、比較的防災に対する意識も高いと思います。東日本大震災の際には、直後に漁協から東北へ支援に向かいました。
  三重大の川口先生が相賀浦へ入ってくれた事と東日本大震災の惨状を目の当たりにした事が相まって、防災に対する意識はさらに高まっていると思います。東日 本大震災の時には、ここ相賀浦でも津波警報、注意報が出てたにもかかわらず、多くの人が港へ津波を見に行っていたんですがね。(苦笑)今後、そんな事が あってはなりません。
 防災ワークショップを通して、自助の考え方が変わって来たように思います。自分たちが避難する場所は、自分たちで見つ け、 避難する道や場所は、自分たちで点検整備する、と考えるようになってきていると思います。自分たちの暮らしなので、当たり前の事なんですがね。役場には自 分たちに出来ない事、例えば地図を作ったり、避難路整備用の資材を提供してくれたり。役場との役割分担が明確になって、信頼関係も増してきていると思いま すよ。


避難路の整備について、膝詰めで打ち合わせている川口 区長さん(右側)と、防災課 防災係の瀬古さん(左側)


避難路の階段として利用する樹脂製のステップ。地域から区長さんを通して、避難路整備のための資材提供要望を出すと役場が素早く応える仕組みができている。


樹脂製のステップを埋め込んで整備した避難路。施工は、住民の方々が行います。手すり代わりになる、ポールとロープについても役場からの資材提供があります。
2012年10月26日 00時00分 投稿者:hazard
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eコミマップ連携

相賀浦地区防災マップ
作成 2012/12/17 2:19:31 : 更新 2015/02/23 23:18:40